Featured image of post V53 VMEシステムで遊ぶ #18 SIOボードの解析

V53 VMEシステムで遊ぶ #18 SIOボードの解析

前回は、V53 CPUボードにELKSを載せてSLIPでネットワークに接続しました。これでV53 VMEシステムが本格的に稼働しました。 次はV53 VMEシステムに搭載されているSIOボードについて調査を進めていきます。

SIOボードの外観

SIOボードの外観です。

SIOボードの外観

SIOという名前の通りシリアルIOボードです。4つのコネクタがありますので4回線分と思われます。

4つのシリアルコネクタ

中身をのぞいてみると、なんとV53 CPUが存在します。SIOボードは単なるシリアルIOではなく、このV53が自律的に処理していると思われます。

V53 CPU

シリアル通信を行うデバイスはuPD72001というあまり聞いたことがないものでした。

シリアル通信デバイスuPD72001

このデバイスを調べてみると調歩同期だけでなくHDLCなどの高度な通信まで対応しているようです。

このように当初思っていたよりも高機能なハードウェアでしたが、このSIOボードにはROMが取り付けられたままでしたので、ROMを解析することである程度のハードウェアの情報は得られそうです。

ROMから判明した情報

ROMにはシールがべったり張り付けられており無理にはがすことはやめました。このためROMの型番は不明なのですが、ROMライターで読んでみたところどうやら27C1024のようです。

ROMライターの情報

実際のバイナリは18000-1A3EFに書かれており、最後の16バイトにはV53のリセットベクタが書き込まれていました。アドレスはF000:8100となっていたので、ROMのアドレスとも一致します。

また、uPD72001のIOアドレスは以下の通りでした。

%define MPSC1_DATA 0x00A0
%define MPSC1_CTRL 0x00A2
%define MPSC2_DATA 0x00A8
%define MPSC2_CTRL 0x00AA

これでHello Worldが書けそうです。

シリアルコネクタの仕様

このボードのシリアルコネクタはD-SUB15ピンです。D-SUB15ピンといえばX.21が思い当たりますが、シリアルコネクタ近辺には多数のジャンパーピンがあり、コネクタへの接続が柔軟に設定できるように見えます。

シリアルドライバICとジャンパーピン

またシリアルドライバICは2種類あり、1つはRS-422用、もう1つはRS-232C用が搭載されています。これもジャンパー設定で選択できると思われます。

インターフェースドライバIC伝送方式
RS-232CLT1134不平衡伝送
RS-422ASN75175, MC3487平衡伝送

このSIOボードのジャンパー設定は2つのポートしか行われていないようで、写真の左側のように全くジャンパーが無いポートは使用されていないようにみえます。 使用されている2つのポートの配線を追ったところ、RS422のドライバICではなく、RS232CのドライバICにたどり着き、D-SUB15ピンコネクタの配線は以下のようになっていました。

ピン番号機能
1GND
2TXD
3RXD
4RTS
5CTS
6DCD
12STRxC
13TRxC
15DTR

RS-232Cであれば手持ちのシリアル変換USBケーブルで接続できそうです。

Hello Worldを動かす

ROMから得られた情報を元にSIOボードのテストプログラムを書いてみました。

シリアルポートから連続して"A"を出力するものです。V53の初期設定はROMの内容に沿った形で行いましたが、シリアル通信デバイスの設定がBiSyncだったため、ASyncになるように書き直しました。
テスト版のROMを取り付けて、D-SUB15ピンのGND、TXD、RXDをシリアルターミナルに接続して電源を投入したところ、RUN LEDとTX LEDが点灯し、無事シリアルポートに"A"のデータが出力されました。また、ターミナルから連続してキー入力をするとRX LEDも点灯しました。

RUN/TX/RX LEDが点灯した

ターミナルに出力された"A"の文字

まとめ

SIOボードはV53 CPUが搭載されたインテリジェンスなボードでした。メモリも十分搭載されており4ポートの高度な通信機能を実現できるものでした。
次のステップとしてSIOボードを詳細に調査するために簡単なモニタを載せることにします。SIOボード側からVMEシステムがどのように見えるのか、IOポートの役割はどうなっているのかなど探ります。 このSIOボードがVMEシステムにおいて、CPUボードやその他のボードとどのように連携していたのかがわかれば、今後の活用方法が見えてくると思われます。

Hugo で構築されています。
テーマ StackJimmy によって設計されています。