前回はDEC AXPvme230をVMEラックに実装するために必要なDual Slot Breakout基板の設計と発注まで行いました。今回はDual Slot Breakout基板を製作して、AXPvme230をVMEラックに搭載して動かしてみます。
Breakoutボードの仮付け
JLCPCBさんに発注したAXPvme Dual Slot Breakout基板が届きました。ほぼ一週間で到着です。

もう一つ重要なパーツとしてDIN 96Pコネクタがあります。こちらもほぼ同じタイミングでマルツさんから入手できました。

Breakout基板にDINコネクタを仮付けしてVMEラックのバックプレーンのコネクタ位置に合わせて実装に問題がないかを確認しました。

特に問題なさそうです。
Breakoutボードの組み立て
BreakoutボードにはSCSIを使用するための50Pコネクタやターミネーター用の集合抵抗が実装できるようにしていますが、今回は必要最小限のパーツだけ実装して動作確認を行います。
このため表面はちょっとしたパーツのみの実装になります。

裏面はDIN 96Pコネクタが2つ実装されます。

これでBreakoutボードは完成です。
Breakoutボードの取り付け
完成したBreakoutボードをVMEラックの裏側のJ2バックプレーンに取り付けます。
今回はスロット10番にAXPvme230ボードを取り付けることにしました。BreakoutボードのJ1をスロット10番に差し込みます。J2は隣のスロット11番に差し込みここからも電源を供給します。

これでJ2バックプレーン側の設定は完了です。
AXPvme230ボードの取り付け
次にAXPvme230ボードをVMEラックに取り付けます。AXPvme230ボードのP2コネクタをスロット10番に合わせて差し込みます。

これで問題ないはずです。
VMEラックでの動作確認
いよいよVMEラックの電源を投入します。このVMEラックは12スロット用ですので電源容量は余裕があります。
電源を投入したところ、平置きと同じようにLEDパネルに数字と英字が次々と表示されていきます。

まずは問題なく動作しているようです。
SRMコンソールの起動設定
現在の設定では自動bootするようになっていますが、SRMコンソールを起動して停止するように環境変数の設定を変更しました。
>>>show auto_action
auto_action BOOT
>>>set auto_action halt
>>>show auto_action
auto_action HALT
>>>
これでSRMコンソールのプロンプトを表示してコマンド入力待ちの状態になります。
SRMコンソールがアイドルの状態だとLEDディスプレイに棒が回転するアニメーションが表示されます。
なかなかカッコいいです。
エアフローの課題
しばらくこの状態で使用したのですが、CPUがかなり熱くなっていることに気が付きました。触れない熱さではないですが、平置きの時はサーキュレーターで強力な風を送っていたのでここまでは熱くなりませんでした。
Technical Descriptionで確認したところ、AXPvme230モジュールを適切に冷却するためには、以下のエアフロー要件を満たす必要があるとのことです。
- 最低200LFM(Linear Feet per Minute:フィート毎分)の風量が必要
- VMEシャーシに空きスロットがある場合は、導電性のブランクパネル(ダミーパネル)を挿入してください。これにより、エアフローが改善され、電磁波干渉(EMI)も低減されます。
現状のVMEラックの写真をみるとわかりますが、ブランクパネルが無く折角のエアーが周囲から漏れてしまっている状況です。
今はコネクタから外している未使用のVMEボードを差せばブランクパネルの代わりにはなりますが、無駄な電力を消費してしまいます。
やむなく一番電力を消費しないと思われるV53 RAMボード(1M SRAMが4個しか載っていない) を空きスロットに取り付け、CPUのヒートシンク側のブランクパネルの代用としました。

RAMボード分電力を消費してしまいますが、一旦この状態で動かしてみます。
まとめ
エアフローに課題は残りますが、ひとまずVMEラックで安定した動作ができるようになりました。懸案のブランクパネルは引き続き探していますが、すでに国内の小売店では販売終了となっているようです。
AXPvme230をVMEラックに搭載した状態でNetBSDを動かしつつ次のテーマを探してみます。まずはSCSIを動かすか、それともPCIのLANカードを動かすか、まだまだ試すことはありそうです。
