Ubuntuデスクトップの開発環境でKIM Unoを製作してみました

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せっかく組み立てたLinuxデスクトップPCですので、これをメインPCとして使えないか試してみます。

linux_gpu_pc_case1.jpg

いまこのPCで使用しているのはUbuntu 20.04 LTS Desktop 日本語 Remixです。インストール直後から日本語入力は問題なく行えます。

Ubuntuソフトウェアを揃える

これまでWindowsデスクトップで使っていたソフトウェアがUbuntuで動作するかを確認してみます。

機能 Windows Ubuntu 使用感
Webブラウザ Firefox ブックマークも同期できるので問題なし
エディタ VSCode 全く問題無し
基板設計 KiCad 全く問題なし
Arduino開発環境 Arduino IDE 全く問題なし
チャットツール Discord 全く問題なし
ビデオ会議 Zoom 全く問題なし
シリアルターミナル TeraTeam GTKTerm 現在試用中。今のところは問題無し。
スライサー Ultimaker Cura 全く問題なし
3D CAD Fusion360 FreeCAD 現在試用中。やや手強い。
グラフィックデザイン Illustrator GIMP 機能的には差がありそう。
チャットツール Twitter Tweetdeck
クラウドストレージ OneDrive ブラウザ版
クラウドストレージ Box ブラウザ版
クラウドメモ OneNote ブラウザ版
スクリーンショット よく使うので必須。

このように開発環境もほぼ揃っていますし、クラウド系のツールはブラウザで問題なく使えます。

Ubuntuデスクトップ環境でKIM Unoを作ってみる

実際にこのUbuntuデスクトップ環境でKIM UnoというKIM-1シミュレーターを作ってみました。配布されているやや古いKiCadデータをベースに、秋月電子で入手できるパーツに置き換えた形でKiCad6で製作してみます。

基板設計

KiCad6で行い特に問題なくガーバーデータまでできました。これまで省電力CPUを使った小型のデスクトップPCだったので自動配線や3Dビューアーにかなり時間がかかっていたのですが、今回はデスクトップ用のCPU+GPUですのでサクサク作業が進みます。

kim_uno_kicad6_2.png

ただし、部品のレイアウトを確認するために基板レイアウトを印刷してみたところ、Ubuntu標準のプリンタドライバではスケールが一致せず少し小さめに印刷されてしまいました。

私はCanonのプリンタを使っているので調べたところ、Linux用のプリンタドライバが配布されていましたので、これをインストールしてスケールを正確にすることができました。

canon_inkjet_printer_driver_linux.png

左側が標準のプリンタドライバ、右側がメーカー配布のプリンタドライバを使ったものです。左側が若干小さいことがわかります。

kim_uno_layout_print_check1.jpg

お使いのプリンタにLinux用のドライバがあるかは確認したほうが良いと思われます。

ガーバーデータの最終確認を行い、基板の製造メーカーに発注しました。

Arduinoへの書き込み

次にKIM UnoのスケッチをArduino Pro mini(秋月電子 AE-ATMEGA328-MINI)に書き込みます。

kim_uno_arduino_ide_compile1.png

これも問題なく行うことができました。書き込んだArduino Pro miniを使ってプロトタイプを製作しました。

kim_uno_prototype_1.jpg

シリアルターミナル

KIM Unoはシリアルターミナルで制御することができますが、Ctrl-Aなど制御文字を多用します。Arduino IDEでのシリアルターミナルではこの制御文字の扱いができないので、GTKTermを使うことで解決しました。

kim_uno_gtkterm_1.png

ケースの出力

KIM Unoのサイトではケースの3Dプリンタ用データも配布されていたので、これをCuraに読み込ませてスライスデータの作成も行いました。実際の3Dプリントアウトは基板到着後となります。

kim_uno_case_cura.png

このように一通りの作業はUbuntuデスクトップで完結することができました。

Windows/Macとの使い分け

Fusion360とIllustratorはやはり使い勝手がよく、これはWindows/Macで使い続けることになりそうです。

また、GUIでのファイルマネージャーの使い勝手もWindows/Macがやはり良いです。CLIで操作する場合はUbuntuのほうが良いですが。

他にもWindowsでしかドライバがないハードウエアや開発環境もありますので、今後も用途に応じてUbuntu, Windows, Macを使い分けて行くことになりそうです。

なお、KIM Unoの詳細はまた別の記事でまとめます。

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