秋月のWi-SUNモジュール付きSoC基板を私は2台買いました。1台はそのままの状態でLinuxを載せてMackerelで瞬間電力量を表示して運用しています。もう1台はまだ手付かずでしたが、SoC基板に実装されているWi-SUNモジュール MB-RL7023-11/DSS [M-17450]を取り外し、それを活用できないかと考えています。
そのためにはWi-SUNモジュールを手軽に使えるようにブレークアウト基板を作ることにしました。
Wi-SUNブレークアウト基板の設計と発注
KiCADで設計した基板の3Dイメージです。
Wi-SUNモジュールから引き出せるシリアル信号を、手持ちのUSBシリアル変換基板にそのまま接続できるようにしました。このUSBシリアル変換基板で使用されているFT223RLのLDOの出力電流は最大50mAですので、Wi-SUNモジュールの送信時の消費電流約43mAはぎりぎりカバーできそうです。
KiCADでガーバーデータを作成し、JLCPCBさんに発注しました。
KiCADデータはGitHubにまとめておきました。こちらは実際に製作した基板をさらに改良しv0.3としています。
Wi-SUNブレークアウト基板の組み立て
JLCPCBさんに発注した基板が到着しました。
早速購入しておいたコネクタをハンダ付けします。コネクタはヒロセ電機 DF12(3.0)-20DS-0.5V(86) です。私の場合はマルツオンラインさんから購入しました。
このコネクタは熱に弱いようではんだ付けの難易度が高く、最初に製作した基板はコネクタが少し曲がってしまいました。
こうなってしまうとWi-SUNモジュールのネジ穴が合わなくなります。このまま使うことも可能ですが、コネクタが外れたり、接触不良となる可能性もあるのでやはりネジ止めしたいところです。
Wi-SUNブレークアウト基板の実装に再挑戦
やむなくもう1枚を使って、基板とコネクタをメンディングテープでしっかり固定し、もう一度慎重にはんだ付けを行います。
Wi-SUNモジュールを固定するネジは秋月のWi-SUNモジュール付きSoC基板で使用していない部分から移設しました。
USBシリアル変換基板を接続するとこのようになります。今回はなんとかネジ穴を合わせることができました。
Wi-SUNブレークアウト基板の動作確認
USBシリアル変換基板にPCを接続し、シリアルターミナルで115200bpsで通信したところ問題なく応答が返って来ました。
Wi-SUNブレークアウト基板の応用例
これでPC上のプログラムでWi-SUNモジュールの制御を行い、瞬間電力量などが取得できるようになります。
また、他のマイコンのUARTに接続して制御もできます。すでに他社のWi-SUNモジュールを取り付けられるM5StackのHATも販売されているようで、M5StackのUIを使った電力計も作れると思われます。
また、Raspberry Pi Picoに実装できるブレークアウト基板もあるようですので、こちらを使うともっと手軽で便利かもしれません。